未経験で税理士業界に挑戦する際に持っていると良い資格(簿記・前編)
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早いものでもう2月となり、業界の方々は確定申告の対応などで繁忙時期を迎えられていると思います。転職を考えている方の中には、繁忙時期が明けたら転職活動を活発化していこうという人も多いかと思います。 さて、今回は「未経験で税理士業界に挑戦する際に持っていると良い資格」についてお話してみたいと思います。
以前のコラムでも少し触れましたが、簿記資格についてお話してみたいと思います。
簿記資格についてご存じの方もそうでない方もご一読いただけますと幸いです。
簿記資格とは??
就職や転職に強い資格、のような記事を見るとおそらく必ずと言っていいほど取り上げられている「簿記」ですが、実際どのような資格なのでしょうか。
簿記とは、企業における取引や経営活動に関するに内容を帳簿へ記入する作業、またはそのスキルのことを指します。
(帳簿記入の略称ともいわれているようですね)
企業ではそうして帳簿に記入された内容をもとに「決算書」を作成します。
簿記は企業の規模に関わらず必須のもので、企業の利益と資金の調達元とその使いみちを明らかにするものです。こうしてお金の流れを明らかにして記録していくことで、その後の経営方針を決めていくことになります。
簿記資格の種類について
簿記資格には大きく分けて3種類あります。
①日商簿記 → 一般的に簿記というとこれを指す場合が多いです。知名度高いですがその分難易度も高いです。(日本商工会議所が主催)
②全商簿記 → 商業高校の生徒向けの資格です。(全国商業高等学校協会が主催)
③全経簿記 → 経理・会計専門学校の学生向けの資格です。(公益社団法人全国経理教育協会が主催)
一般的には①日商簿記を指すことが多いので、ここでは日商簿記についてお話していきます。
日商簿記の中にもいくつか種類がありますがその中でも「3級・2級・1級」が一般的かと思います。
<3級>
簿記の3級では、仕訳や勘定項目など簿記の基本原理から、各種取引の処理の仕方、決算書類の作成など、主に小規模な株式会社を想定した商業簿記の基本知識が求められます。 商業簿記や会計学の基礎を習得できる資格のため、経理担当者や経理職を目指す人だけでなく、幅広い業種や職種の方が受験しています。
合格に必要な勉強時間の目安としては大体100時間程度と言われており、独学でもチャレンジしやすいレベルと言えます。
<2級>
2級では中規模程度の株式会社の経理が想定されており、複雑さ・難易度が上がります。
範囲としては商業簿記に加えて、工業簿記(原価計算を含む)も含まれます。
ちなみに商業簿記では、商品を仕入れて販売する会社が想定されますが、工業簿記では 自社で製造した製品を販売する会社を想定しています。
そこで原価計算が必要になるということですね。
合格に必要な勉強時間の目安としてはおおよそ200時間以上といわれています。
出題範囲が広いため、勉強すべきボリュームも増えますが、それと同時に効率的・効果的な勉強方法が求められます。
<1級>
1級ではより専門的な商業簿記・工業簿記の内容に加え、会計基準や企業会計に関する法令についての知識も求められます。経営の管理や分析など極めて高度なレベルを求める人がチャレンジする、簿記資格のなかで最高位にあたるのが1級です。
簿記1級の試験範囲と税理士試験の試験範囲の重複が多いため、税理士試験の準備として簿記1級の勉強をする人も少なくありません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「簿記」と一口に言っても様々な種類とレベルがあるということがお分かりいただけたかと思います。
未経験から税理士業界を目指す方には、まず日商簿記2級の取得を目指して勉強することをお勧めします。
税理士資格の取得を目指す方は日商簿記1級にチャレンジしてみるといいでしょう。
1級は独学だけでの合格は非常に困難だと思われます。講座やスクールなどを活用して辛抱強くチャレンジを続けていきましょう。
次回のコラムではまたこの続きをお話ししたいと思います。
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この記事を書いた人
藤本尚士
熊本経営サポート株式会社 代表取締役。税理士。
大学卒業後、大学院に通いながら宅建業の代表取締役を経験し、大手税理士法人勤務を経て、税理士法人新日本九州中央事務所を開業。
経営者のサポートに積極的に取り組み、開業支援、税務調査などの対応を行い、熊本・玉名地域の発展に尽力している。