税理士試験科目について考える「財務諸表論」編
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前回から税理士試験科目についてお話ししております。
簿記論に続いて、今回も必須科目の一つである「財務諸表論」について取り上げたいと思います。
それではいってみましょう!
財務諸表論とは??
財務諸表とは、帳簿に記録した経営状況や財産状況を株主などに報告するための書類であり、その理論や作成手順等を学ぶものが「財務諸表論」です。
企業は財務諸表によって企業活動の成果や財務上の健全性を示し、株主や投資家など外部の利害関係者(=最近ではステークホルダーなどと呼ばれますね)に報告します。
その内容は経営判断や投資判断などに活用されます。
財務諸表のうち、貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書の3つを特に
「財務三表」といいます。
前回まで話してきた簿記が「記録」であるのに対して、財務諸表は「表示」という感じですね。
正確に記録するのが簿記論で、それをわかりやすく表示するのが財務諸表論、というイメージです。
財務諸表論の出題形式
財務諸表論の試験時間は簿記論と同じく2時間(120分)です。
第一問と第二問が理論問題(各25点)、第三問が計算問題(50点)の計100点満点です。
理論問題では、会計の原理・原則・基準について問われ、穴埋めや記号選択や論述形式で出題される傾向にあります。
計算問題では決算整理型の総合問題となり、貸借対照表や損益計算書等を作成する問題が出題されます。
財務諸表論の勉強のコツ
理論問題については、内容を暗記してそのまま回答する、というよりも「なぜこのような会計処理を行うのか」という背景の理解・根本的な理解を得ることで身につきやすくなります。
計算問題については、会社法の規定に従い財務諸表を作成する能力が問われます。
「簿記論」の計算問題よりもやや優しめになることが多いようです。
財務諸表論の試験についても、簿記論の時と同様、早く・正確に計算することが求められます。
出題傾向が比較的安定していると言えるので、過去問を多くこなし、出題の傾向をつかみながら計算力をあげていくのが良いでしょう。
ちなみに、簿記論と財務諸表論とでは、簿記論から最初に勉強していくことになるわけですが、この2つの科目は関連性が高いので、一緒に学習を進めていくのがオススメです。
学習範囲や計算方法や仕訳などにおいて重複する箇所も非常に多いので、同時に学習を進めることでその相乗効果が期待できます。
参考までに、財務諸表論の合格率は下記の通りです。
令和4年度(第72回)は14.8%
令和5年度(第73回)は28.1%
まとめ
財務諸表論も簿記論同様、その難易度が高い試験とされていますが、こちらもやはり税理士になるためには避けては通れない必須科目となっています。
日々の勉強を継続することが重要なのは言うまでもありませんが、同時学習することでトータルの学習時間の削減にもつなげられますし、うまく工夫しながら試験の対策を進めていきましょう。
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この記事を書いた人
藤本尚士
熊本経営サポート株式会社 代表取締役。税理士。
大学卒業後、大学院に通いながら宅建業の代表取締役を経験し、大手税理士法人勤務を経て、税理士法人新日本九州中央事務所を開業。
経営者のサポートに積極的に取り組み、開業支援、税務調査などの対応を行い、熊本・玉名地域の発展に尽力している。