税理士試験科目について考える「所得税法」編
早いものでもう7月となり、税理士試験まであと1ヶ月となりました!
試験準備や体調の管理は万全でしょうか?!
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今回は選択必須科目の1つである「所得税法」についてお話してみたいと思います。
(もう1つの選択必須科目である「法人税法」は次回お話ししたいと思います)
さっそく見ていきましょう!
所得税法とは??
そもそも「所得」とは「収入から必要経費をひいたもの」です。
勤め先から給与を受け取っている人であれば、収入(給与)から給与所得控除額をひいたもの、といえます。
わたしたち個人が1年間に稼いだ「所得」から算出される税金が所得税と呼ばれます。
この所得税について定めたものが「所得税法」です。
「所得」の種類にはさまざまあるため、所得税法ではそれらを10種類に分類し、それぞれ異なる計算方法や課税方法を定めています。
所得税法の試験ではその理解をもとめられるわけですね。
所得税の種類は??
所得の区分は以下の10種類です。
・利子所得
預貯金や公社債の利子など
・配当所得
株主や出資者が法人から受け取る配当金など
・不動産所得
土地・建物などの不動産などによる所得
・事業所得
個人の事業による所得
・給与所得
勤務先からの給料や賞与
・退職所得
退職に伴い勤務先から受ける退職手当など
・山林所得
山林の譲渡等による所得
・譲渡所得
土地・建物・会員権などの資産を譲渡することによって生ずる所得
・一時所得
上記のいずれにも該当しないもので一時的なもの
・雑所得
上記のいずれにも該当しないもの
大まかに言うと上記のようなかたちになりますが、これを現実に即して考えるともっと複雑になります。
加えて、それぞれの所得の種類によって、課税方法が異なってくるため、それを理解するだけでも大変そう、というのがイメージできるかもしれません。
所得税法の問題は??その対策は??
ここまで読んだ方ならもうおわかりでしょうが、所得税法は覚えることも多いですし、学習範囲も広く、十分な学習時間を確保する必要があります。
専門学校のサイトなどでは目安として600時間~などと説明もされているようですが、これは必要最低限のボリュームととらえておくべきでしょう。
いずれにせよ、長期的・計画的な学習が必要になります。
所得税法の試験問題としては、計算問題50点、理論問題50点の合計100点となっています。
計算問題は納付税額や課税所得額を問われるものなど、基礎的な内容に基づいた出題が多い傾向にありますが、理論問題はそれに加えて実務的な内容に則した出題が多く、基礎的な理解+実務に則した考え方ができるか、という点が問われます。
出題範囲が広いことから、ヤマを張るということも困難といえます。
問題を解くうえで計算も多く求められるので、複雑な計算を正確かつ早く行えるように備えておくことが必要です。
とはいえ、所得税はわたしたちにとって大変身近なものであるため、興味を持ちながら学習に取り組みやすい点もあります。
役立つ知識を得るつもりで楽しみながら学習を継続してもらえればと思います。
参考までに、直近2回の所得税法の合格率は以下の通りとなっています。
令和4年度(第72回)は14.1%
令和5年度(第73回)は13.8%
まとめ
所得税法は学習範囲も広く、計算方法も少し複雑になるため、攻略は容易ではありません。
お手軽な合格方法などはありません。
基礎的な理解と、計算の反復練習、過去問を利用しての理論問題対策と、ひとつひとつ着実に積み上げていきましょう。
コラムを読んでいただいた方が良い結果を手に入れられるよう、陰ながら応援しております。
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この記事を書いた人
藤本尚士
熊本経営サポート株式会社 代表取締役。税理士。
大学卒業後、大学院に通いながら宅建業の代表取締役を経験し、大手税理士法人勤務を経て、税理士法人新日本九州中央事務所を開業。
経営者のサポートに積極的に取り組み、開業支援、税務調査などの対応を行い、熊本・玉名地域の発展に尽力している。